防災の会V3−21 エネルギー

・ 防災を考える上では、バランスの良いエネルギー戦略をつくることが必要なので、主なエネルギーの概要をまとめてみました。

■石油:貯蔵が容易で、取り扱いやすく、容積当たりのエネルギー密度も高い貴重なエネルギー源だけど、その確認可採年数は、2005年において約41年。
■石炭:エネルギー密度が石油より小さいけど、確認可採年数は、約147年。
天然ガス二酸化炭素の排出量は、石油の74%、石炭の54%。確認可採年数は、約63年。
原子力(ウラン):二酸化炭素の排出は少ないが、放射性廃棄物や核拡散が問題。東京電力福島第1原発事故では、水冷式原発は日本に適さないことがあきらかとなった。確認可採年数は、約85年。
なお、水を使わない冷却方式の原発の開発には20〜30年かかる。

(注)確認可採年数:現在の技術的・経済的条件の下で取り出すことができると確認されている資源の量を確認可採埋蔵量と言い、これをその年の資源の年間生産量で割ったのが可採年数

出典:資源エネルギー庁 エネルギー資源の可採年数、原資料: BP統計2007、URANIUM2005

自然エネルギー
現在の総発電量の50%が限度。これは1次エネルギー供給量の約10%であり、残りの90%は他のエネルギーが必要。
(1)水力:日本では、総発電量の10%を占めるが、大型ダムの開発余地はあまり 
ない。小規模(マイクロ)水力発電で10%の増加が見込まれる。
(2)太陽光:日本では、総発電量の20%程度が限界
(3)風力:日本では、総発電量の0.1%(2006年)程度。総発電量の約10%程度
が限界
(4)地熱:日本では、温泉との競合などのため建設適地が少ない。
出典:「太陽光エネルギーの利用とその限界」佐藤しんり(2008.3)
(5)バイオエネルギー:穀物生産と競合することから、10億トン程度が限度と見 
込まれる。

核融合発電:ほとんど無限のエネルギー源であるが、実用化までは、50年以上はかかりそう。
出典:教えて!goo

・ 世界のエネルギー需要は増大が見込まれていることから、50年くらいで石油などの化石燃料は枯渇するか、価格の上昇で使えなくなることも考えられる。

出典:資源エネルギー庁>エネルギー・資源を取り巻く情勢>世界のエネルギー需要見通し

<結 論>
・ 新たな油田などが発見されない場合、エネルギー源は2100年頃に枯渇する。
・ 2100年以降のことを考えると、新しいエネルギー源(新エネ)を開拓するか、省エネ技術の開発・普及をする必要がある。