防災の会V3−22 食料

・防災を考える上では、食料生産についても知っておく必要がある。

東京大学大学院 農学生命科学研究科の川島博之先生によると、世界の食料生産量は①気候などの自然条件、②技術、③経済の3 つの要因によって決定されるそうな。
・ そして、1960年以降、穀物生産量の伸びは人口の増加を上回っており、その要因は、品種改良と窒素肥料(工業的な空中窒素固定法)だそうな。
・2005 年の穀物栽培面積は6.9 億ha、生産量は22.4 億トンで、世界平均単収(単位面積当たりの食糧収穫量)は3.3[t/ha] だったけど、これはフランスの小麦単収の4 割程度であることから、開発途上国の単収の増加により、21 世紀は20 世紀に引き続き、実質賃金に対し食料価格が低下し続ける時代になるとしている。

参照1: 「21世紀における世界の食料生産 」川島 博之 東京大学大学院 農学生命科学研究科准教授
参照2: 「世界の食料生産〜2050年の展望とバイオマスエネルギー 〜」川島 博之 東京大学大学院 農学生命科学研究科准教授

・窒素肥料(工業的な空中窒素固定法)により穀物生産が支えられているということは、穀物生産には、太陽光エネルギーだけでなく、石油や石炭などのエネルギーの投入が必要ということなのだ。