29 宇宙とは?【宇宙とは】宇宙との対話

29 宇宙とは?【宇宙とは】宇宙との対話

Q:宇宙はなぜ、存在するという面倒なことをするのか?
Q:統一理論には自分自身の存在をもたらすほど大きな強制力があるのか?
Q:それとも創造主が必要なのか?
Q:もしそうだとすれば、創造主は宇宙に何か他の影響も与えるのではなかろうか?
Q:そして、創造主を創造したのはだれなのか?

出典:「ホーキング宇宙を語る」スティーブン・W・ホーキング(1995年4月15日発行)
 (p.239)

宇宙論の歴史】
※「ホーキング宇宙を語る」スティーブン・W・ホーキングをベースにして作成。
1900年 マックス・プランクは、光、X線その他の電磁波は、量子と彼が呼んだ一定のかたまりとして放出されると唱えた。(p.88)
1906〜1914年 アインシュタインは、特殊相対論と矛盾ない重力理論を見つ    
けようと試みたがうまくいかなかった。
1913年 電子の許される軌道(ニールス・ボーア)(p.96)
      →原子核のまわりを回る電子は、その速度に応じたある波長をもつ涙と見なせる。
      →いくつかの軌道については、軌道の長さが、うまいぐあいに電子の波長の整数倍になる。このような軌道の場合には、軌道を一回りするたびに波の山が同じ位置にくるので、波は足し合わされる。
1915年 一般相対性理論の提唱(アインシュタイン
    →重力は他の力とは異なり、時空がそれまで想定されていたような平坦なものではないことから生じる効果だという革命的な考えを打ち出した。(p.56)
    =空間と時間は動的な量である。物体が動くか、あるいは力が働くかすれば、空間と時間の湾曲にその効果が及ぶ。(p.62)
    →一般相対性理論には、宇宙にはじまりがあったはずだということ、そして終わりもありうることが暗黙裡に包含されている。(p.62)
1925年 パウリの排他原理(オーストリア)(p.104)
      =二つの同じような粒子は同じ状態をとることができない。
      →つまり、この二つの粒子は、不確定性原理の課する制限の中で、位置と速度の両方が同じになることができない。
      →もしこの世界が排他原理なしで創造されたとすれば、クォークは別々 の、はっきり確定した陽子と中性子を形づくらなかっただろう。
       そして、それらが電子といっしょになって別々の、はっきり確定さ          れた原子を形づくることもなかっただろう。原子はすべて崩壊して、 ほぼ一様な高密度の“スープ”を形づくったことだろう。
1926年 ヴェルナー・ハイゼンベルグが、不確定性原理をまとめあげた。(p.88)
      =ある粒子の未来の位置と速度を予測するには、・・・粒子に光をあてる。・・・少なくとも一つの量子は使わなければならない。この量子は粒子を攪乱し、その速度を予測のつかないやり方で変えてしまう。
      →それだけではない。測定をより精密に行おうとすれば、より短い波長の光が必要になり、それにつれて単一の量子のエネルギーもより大きくなる。したがって、粒子の速度が受ける攪乱もいっそう大きいことになる。
      →粒子の位置を正確に測ろうとすればするほど、粒子の速度は正確でなくなる。
      →粒子の位置の不確定さと速度の不確定さと粒子の質量を掛けたものは、プランク定数と呼ばれるある量よりも小さくできない。
1920年代 ハイゼンベルグ、エルヴィン・シュレーディンガーポール・ディラック
力学を不確定性原理にもとづいて定式化しなおし、量子力学を作りあげる。(p.90)
→粒子は、位置と速度の結合である量子状態をもつ。
量子力学が予測するのは、起こりうるいくつかの異なった結果。
1928年 ディラック理論・・・量子力学特殊相対性理論のどちらとも整合性のある理論(p.106)
→電子にはパートナーとなる陽電子がある。
1932年 陽電子の発見
      →すべての粒子には反粒子があり、いっしょに消滅しあえる。
1948年 ガモフ ビッグバン・モデル
1968年 アブダス・サラムとスティーブン・ワインバーグ 電弱統一理論:弱い核力と電磁気力を統合する理論
1970年 ペンローズとホーキングの共著論文
    →一般相対論が正しく、かつ宇宙が、われわれが現に観測しているのと同じ程度の物質を含んでさえいれば、ビッグバン特異点があったはずだということを最終的に証明したもの。(p.84)
      →この証明は、一般相対性理論が不完全な理論にすぎないことを示している。この理論は、宇宙のはじまりにはそれ自信を含めすべての物理理論が破綻すると予測しているので、宇宙がどうはじまったかを説明できない。(p.85)
      →だが、一般相対論はたんに一つの部分理論にすぎないのであるから、特異点定理が本当に示しているのは、宇宙のごく初期には宇宙が非常に小さく、そのために20世紀のもう一つの偉大な部分理論である量子力学が扱う小さな尺度の効果が、もはや無視できなくなるような時期があったにちがいないということなのである。(p.86)
      →しかし、量子効果を考慮に入れると特異点は消え去る。(p.85)
1970年代後半 量子色力学
1980年代〜  素粒子論的な宇宙論
1985年 シュワルツ、グリーン 超弦理論