83 ブラックホールの蒸発:ホーキング放射(その2)【ブラックホール】宇宙との対話

83 ブラックホールの蒸発:ホーキング放射(その2)【ブラックホール】宇宙との対話

量子論の特徴の一つは、からっぽの空間というものがないことである。
・一見からっぽに見えても、ミクロなスケールでは常に正エネルギーと負エネルギーの仮想粒子の対生成がおこなわれている。
・正エネルギーの粒子は、エネルギーが大きければブラックホールから逃れることができる。
・一方、負エネルギーの粒子はブラックホールに吸い込まれる。
・負エネルギーの粒子が吸い込まれるため、結果的にはブラックホールのエネルギーは減り、ブラックホールは次第に小さくなっていく。
ブラックホールが「蒸発」していくのだ。
・ただし、蒸発しきるまでの時間は、1059 億年と宇宙年齢約140 億年と比べて桁違いに長い。

【参照】ブラックホールの謎に迫る 2004年日本物理学会科学セミナー
アインシュタインと21世紀の物理学」テキスト(2004年8月5日-6日)
高エネルギー加速器研究機構 夏梅 誠
http://www.h7.dion.ne.jp/~natsuume/articles/jps_seminar_txt2.pdf

ブラックホールの蒸発の際には、新たに陽子や中性子も作られる。