痛みを楽しむ(その1)

痛みを楽しむ(その1)
【楽ガンぶろぐ】

・ ガン患者としての人生の一瞬一瞬を楽しむためには、「痛みを楽しむ」ことができなくてはならない。
・ そう思って点滴の注射針があたしの肌に突き刺さる様子をしっかり見つめた。
・ 第一段階クリア!
・ そう思ったら、チューブの中を気泡がゆっくり動いてあたしの皮膚の下に入って行った!
・ 気泡!!
・ 「血栓ができるかも!」「脳の血管が詰まるかも!」
・ 医師の顔を窺うが、その人はなんの動揺もない。肌は青ガエルのようだ。
・ 結果、その場では騒ぐに騒げず。不安のまま家に帰って妻に報告した。
・ 「気泡なんか関係ないわよ」「何言ってんのよ、気が小さいんだから」
・ 妻の答えは明快だ。
・どっと汗が出た。